下町が好き

国立西洋美術館が、2016年7月17日にユネスコ（世界遺産委員会）で、「ル・コルビュジエ作品群」として世界遺産に登録されました。

■見どころ■混雑■撮影ルール■撮影ポイント■無料で楽しむ■参考パンフレット■参考ガイドブック
■館内■コルビジェ絵画■アクセス■建物ツアー■常設展無料観覧日■夜間開館時間延長■オススメ散歩コース■重要キーワード■都市伝説　などまとめています。

「ル・コルビュジエ作品群」の中で日本で登録された建物は
上野公園内の「国立西洋美術館（本館）」１つだけです。

■混雑
世界遺産になって３日目（平日日中）に見にいきました。
報道されていたような大混雑ではなく通常程度の観覧者数でした。
週末は世界遺産目当ての人の比率は増えると思われます。
（この記事の写真はその時に撮影しました。ある程度混雑の参考になると思われます）

■撮影ルール
常設展示内撮影可能です。
美術品が展示されているのでフラッシュ撮影は厳禁です。

また作品によっては「撮影禁止」なので館内撮影には注意が必要です。

ただし無料観覧日の常設展示室内は写真、動画等の撮影は全面禁止。

■ル・コルビュジエを理解する重要キーワード
モデュロールとは…コルビュジエ建築を理解するための重要概念の１つ。
　人体をベースに比率を決めて「約１．６１８対１」を基準の比率として
　西洋美術館ではありとあらゆる場所にこの比率を取り入れています。


■遠くから楽しむ（美術館が休館日でも楽しめる方法）

＜正面から撮影＞


＜横から撮影＞



美術館が休館日（主に月曜日）でも
美術館敷地内に入らなくても
こんな立ち位置から撮影ができます。

もちろん無料で撮影できます。

ズームを使えばばっちり撮影も可能。

ただし休館日は敷地内建物前に自動車が多く止まっている印象です。

また月曜日は国立博物館、国立科学博物館など休館日になることが多いので
静かな上野公園をゆっくり楽しみたい人にオススメです。



■敷地内で楽しむ（無料で美術館を楽しむ）

西洋美術館の敷地内は美術館開館日の開館時間に入場可。
無料です。

撮影ポイントとしてイチオシのオススメがこちら。

世界遺産「西洋美術館」とロダン作「考える人」と一緒に記念撮影をぜひ。

こちらもオススメ、世界遺産「西洋美術館」とロダン作「カレーの市民」


西洋美術館に向かって右手には有名な「地獄の門」もありますので
こちらもチェックしてみてください。

□建築物チェックポイント□

その１　ピロティ
ピロティとは…建物を柱で支えて地上階に吹き抜けの空間を作ること。
建物の完成時はもう１柱分ピロティが大きくこの部分にも展示物があったそうです。
その２　柱と柱の間隔
モデュロール（前述）によって設計されています。
その３　外壁
表面に砂利を敷き詰めた外壁は長方形（モデュロール）になっています。

□建築物チェックポイント□

その４　石畳
石畳のすべてはモデュロールによって決められています。

また向かいにある「東京文化会館（前川國男設計）」（写真奥）は
コルビュジエ設計の西洋美術館を意識した設計配置になっています。


■建築物内で楽しむ

□無料参考パンフレット□

常設展入り口のところにある「ル・コルビュジエ建物探検マップ」
必ず入手してポイントをチェックしていきましょう。

□建築物チェックポイント□

その５　トップライト
常設展入ってすぐ真上が吹き抜けになっていて
三角形の窓は自然光を取り入れる構造になっています。

□建築物チェックポイント□

その６　床照明
作品を床から照らすライトであったが現在は使用されていない。

□建築物チェックポイント□

その７　スロープ
コルビジェ設計にしばしば用いられるジグザグな斜路。
空間の変化を楽しみながら２階へ移動できる。

□建築物チェックポイント□

その８　中３階
もともとは小さな展示する予定であったが現在は立ち入り禁止。

□建築物チェックポイント□

その９　回遊空間
「無限成長美術館」と言われ将来外壁のまわりにも増築できる概念の建物になっていました。
ギャラリーもグルグル回って展示空間を楽しむ構造になっています。
その１０　照明ギャラリー
もともと写真左上は自然光を取り入れる構造でした。
現在は蛍光灯になっています。
その１１　天井の高さ
天井の高さの変化も楽しめるようにモデュロールが取り入れられています。
高い部分は低い部分の倍の高さがあります。
その１２　独立柱
本館を支える円柱（写真右）。表面の木目が特徴です。

□建築物チェックポイント□

その１３　バルコニー
２階のバルコニーからはセンターのホールにむけて開放されています。
下の作品を見たりトップライトを見上げたり空間を楽しむことができます。

□建築物チェックポイント□

その１４　雨樋
奥のコンクリートの柱の手前にある細めの円柱。
ふつう野外を通る雨樋（あまどい）を室内に通している。

□建築物チェックポイント□

その１５　旧館長室トイレ
３階にある独特な構造のトイレ。
現在は公開されていない。
２階ギャラリーからガラス越しに少し見ることができる。

□建築物チェックポイント□

その１６　屋上庭園
コルビュジエ設計では重要なテーマの１つであった屋上庭園。
瓦屋根でなく水平な構造となっている。
残念ながら現在は見学できない。
遠目で見るとわずかに三角出窓の１部を見ることができる。


■ル・コルビュジエのファンなら見ておきたい美術品
2016年7月20日時点の情報ですが
ル・コルビュジエ作の絵が２点展示されています。
どちらも常設展示のコースの出口近くにあります。
「ランタンのある危うい調和」１９３１年
「レア」１９３１年
残念ながらどちらも撮影禁止です。

常設展入場で見ることができます。


■建築ツアー
ボランティアスタッフによる建築ツアーです。フランスの建築家、ル・コルビュジエによって設計された本館や前庭を、建築に詳しくない方も楽しめるよう、スタッフが一緒に歩きながら案内します。

参加は無料。（ただし常設展チケットは必要です）

日時： 第2・第4日曜日（開館時）
※9月以降：第2・第4水曜・日曜日（開館時）
　　　　　　15:00～（約50分）
対象： 10才以上
定員： 各回20名
ツアー実施日の2週間前、午前10時からインターネットからの申し込みのみ
＜国立西洋美術館公式サイトより抜粋＞

■建築ツアー参加の感想
世界遺産になる前にこのツアーに参加しました。
解説を聞きながら見るとかなり効率よくポイント・見どころがわかります。

現在はツアーの申し込みをとるのは困難な状態です。
９月からツアー回数が増えるのでこまめにチェックしてみましょう。

■アクセス　場所（所在地）
東京・上野公園内
ＪＲ上野駅公園口改札をでてすぐの横断歩道を渡ると上野恩賜公園（上野公園）
人の流れに沿って３０メートル程度歩くと右手に「国立西洋美術館（本館）」があります。

■国立西洋美術館とともに上野公園散歩オススメコース紹介



■常設展無料観覧日

2016年7月17日、国立西洋美術館を含む「ル・コルビュジエの建築作品－近代建築運動への顕著な貢献－」が、世界遺産一覧表に記載（世界遺産に登録）されることが決定しました。このことを記念し、皆様に感謝の意をお伝えするため、8月20日（土）は常設展の観覧料を無料とさせていただきます。

この機会に世界遺産に登録された建物、そして西洋美術の名作の数々をどうぞご覧ください。

無料観覧日の常設展示室内における写真、動画等の撮影を禁止

2016年8月20 日（土）　無料観覧（常設展のみ）
＜国立西洋美術館公式サイトより抜粋＞

■夜間開館時間延長のお知らせ
多くのお客様にご来館いただいている状況を踏まえ、8月の金曜日については、従来20：00までの開館時間を20：30まで（入館は20：00まで）延長いたします。

2016年8月5日（金）、12日（金）、19日（金）、26日（金）
9:30～20:30（入館は20：00まで）
＜国立西洋美術館公式サイトより抜粋＞

■私が聞いた西洋美術館にまつわる都市伝説
「ル・コルビュジエ作品群」として西洋美術館を世界遺産推薦にしようとなったとき
この西洋美術館（本館）は国の重要文化財にもなっていませんでした。
世界遺産推薦という事情をうけて、国はあわてて平成１９年、重要文化財（建造物）に指定したそうです。


うっちー